季刊誌東京荒野
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以前、はっとりあつしさんに「東京荒野って名前、ダサすぎていいよね」と言われたことがあったけど、僕もそう思うことがよくあり、東京荒野って確かにその通りなんだけどやっぱダサいし、東京をとって荒野って雑誌名にしようかなぁと考えていた時期があって、けど結局それをやめたのは、三上寛さんの最新本、英訳された「怨歌に生きる」の冒頭が「Let's go to TOKYO」だったからだった。そうだ、東京とは特別な場所だったんだと改めて思った。ふと父に言われた「おめぇ失敗したら首吊って死ね」を思い出す。電車で片道1時間半。果たしてそれだけの覚悟を持って出てこなかった今、パリだよおとっつぁんと叫ぶ寛さんを思い出す。


「すべてのものはメッセージ」という考え方は、僕はあまり好きではないのですが、しかし今日不用品回収のチラシがポストに入っており、確かに昔やっていた不用品回収のことを思い出したので書かせていただくと、不用品回収、あるいは引っ越し作業を通し、僕は多くのゴミ屋敷、または亡くなった人の遺品整理、有名芸能人の引っ越しなどしてきましたが、こと不用品回収について言えば、たとえば同じ日に2社の回収業社のチラシがポストに入っていたとして、それは多分、名前は違っても実態はどちらも同じ会社であり、また、不用品回収が必要な家というのは大抵切羽詰まっているので、量によりますが多ければ多いほど作業中に値段が釣り上がり、最終的には最初の見積もりの3倍なんてこともありえ、というのも売り上げの1%が担当ドライバーの給料に反映されるからで、湯原くんも社員になりなよ、好きな女いくらでも抱けるよ、などと言われましたが、まあやらずにやめました。

さて話はそれますが、不用品回収をしていた時に会った若いドライバーのことをふと思い出したので書くと、彼はひと現場ひと現場が終わるたびに携帯アプリを開き、ダダダダダッ、ダダダダダッと、銃を乱射してゾンビだか町人だかを撃ち殺してから次の現場に向かうのでした。そして渋滞などに引っかかり、遅々として前に進まない時なども路肩にトラックをとめ、ダダダダダッ、ダダダダダッと銃を一通り乱射してから車を目的地に向かわせていました。

別に何が言いたいというわけでもありませんが、マイヒーローはキムマサオ。人殺すよりもディズニーランドで遊んでいる方が楽しかった彼は、表現者の鏡です。

神の数式、というと連想されるのは数学やら物理になるだろうけれど、僕はそうではない数式を解きたい。つまりそれは三十五才の主人公が茨城に戻り、実家に行く為に待っていたバス、やってきたバスの車番が1237であったこと。あるいは土浦駅に向かう途中に乗り込んだタクシーのナンバーが73番であったこと。僕が解きたいのはこういった数であり、それを物語によりたい。人は人のツラを被った宇宙であると無善菩薩。ちなみに写真は猫のツラを被った牛。驚くほどバックします。


朝六時起床。煙草を吸い、昼にハンバーガーを食べ、やがてやってきたバスに乗り、東十条。一つの時代の終わり、空は青く、しかし雲がかかり、第二話、物語がはじまる。

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